「学生」の誤用

「学生」というものを勘違いしている人が増えている。どうも学生が中高生のみを指すものだと思っているようなのだ。
そもそも「学生」とは辞書を引くと次のように示されている。


学校で勉強する人。主に、大学で勉強する人をいう。

また法的には高等教育(大学院、大学、短大、高等専門学校)を受けている者を「学生」と呼んでいる。
すなわち、言語学的にせよ法的にせよ「学生」が中高生のみをさすために用いられるのは明らかに誤用ということになる。

にもかかわらず、なぜこのような誤用が広まってしまったのだろうか。やはりメディアが誤用をしているせいではないだろうか。
そんなメディアの中でも特に気になるのはTBSの「学校へ行こう!」である。この番組では中高生を「学生」と呼び、「学生」として大学生などが出てくることは私の知る限りない*1。そして番組のターゲットはそんな『学生』。それら『学生』は「私たちは学生だ!」といいながら成長する。番組が始まったのが10年前なのでそろそろ社会の中核にそれら『学生』が進出し始めたころである。こうなるともうめちゃくちゃだ。

先日、とある漫画喫茶の前に「学生割引」と書かれたのぼりが掲げられていた。私は大学院生であるから学生であり、割引が受けられるものだと思い店に入った。店に入ると会員登録のため身分証の提示を求められ、私は学生証を提示した。登録手続きの間、店のシステムの説明を受けていたのだが、学生割引の話が一向に出てこない。「おや?」と思いながら店内を見渡すと、「学生割引 ※割引対象 中学生・高校生」と書かれていた。もう呆れるしかなかった。

言葉は生き物であるので時とともに変わって行く物だと認識はしている。しかし、だからといってこれはあんまりではないだろうか。

*1:最初のころしか見ていないので無知なだけかもしれないが